【出版作品紹介】ドSな彼は憧れの上司~本当に私をもらってくれますか?~

ナイトランタン関連サイト登録作者:桐野りのさんの電子書籍の紹介です。

・作品名 ドSな彼は憧れの上司~本当に私をもらってくれますか?~
・作者名 桐野りの
・イラストレータ 繭果あこ
・発売日 2016年3月13日
・販売価格 324円(税込)
・購入方法 各電子書籍配信サイトにてダウンロード販売
・出版社 夢中文庫

・内容
「会社をやめて俺のところに来い。お前がほしい」「それって新手の意地悪ですか……!?」――ドSなイケメン王子こと総務部長の二ノ宮にプロポーズされた真央。恋愛経験0、根暗で真面目な地味OLに舞い降りたまさかのオフィスラブ。厳しい上司だったはずなのに告白後は別人みたいに優しくて、すっかり恋人モード。ほのかな憧れを抱いていた相手に告白され、体のすみずみまで愛されて、これ以上の幸せはないはずなのに、突然の展開に真央の気持ちは不安でいっぱい。これって夢じゃないのかな? 棄てられたらどうしよう――自称ダメOLと俺様超絶美形エリートの執着系恋愛の結末は、ハッピーエンド? それともまさかのアンハッピー……?

・その他伝えたい事
冒頭試し読み

「桜庭《さくらば》!」
 怒気を帯びた声。
 顔をあげると、総合商事《そうごうしょうじ》総務部の若き部長、二ノ宮康介《にのみやこうすけ》と目が合った。
 クールに整った目立つ美貌が、怒りに凄味を帯びている。
 桜庭真央《まお》は一瞬で嵐の気配を察知した。
「は、は、はい! なんでしょう。部長!」
 弾かれたように立ちあがり、真央は窓際のデスクへと駆け寄った。
「おととい、緑町物産《みどりまちぶつさん》に手形を送ったのはお前か?」
 長めの前髪からのぞく切れ長の目が、まっすぐ真央を見据えている。
「そうですけど……」
 二ノ宮の眉がくい、と吊り上がった。
(うう……こ、怖い……!)
 彼が総務に来てからの二年間、何度となく見せられた表情である。
 まだ決定的なことは言われていないのに、胃のあたりが早くもキリキリ痛みはじめている。
「……何か間違いでもあったんでしょうか?」
「大ありだ。手形の金額が一桁違うと緑町から連絡があった」
「一桁って……」
「三百万が三千万」
「ええっ!」
 ざーっと、顔から血の気が引く音が聞こえた気がした。
「申し訳ありません!!」
 泣きそうになりながら頭をさげると、二ノ宮は苦虫を噛み潰したような顔で立ちあがった。
「不幸中の幸いで担当事務員が大学の同期だった。多分なんとかなるだろう……ったく、換金されてたら大事だったぞ」
 二ノ宮は背もたれにかけていたジャケットをつかんだ。
「今から緑町に行く。お前も来い。十分後に玄関前集合だ」
 二ノ宮はボードのネームプレートを二人分裏がえすと、肩をいからせフロアを出て行った。